遅咲きの狂い咲き

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zoom RSS 沈む地方?県別人口予測をグラフにしてみた

<<   作成日時 : 2009/07/02 02:40   >>

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今後30年の都道府県別人口予測データを発見した。予想通りとはいえ、直視するには怖すぎるデータかな。。。日本人にとって、そして特に地方の方にとって。

人口予測をしているのは『国立社会保障・人口問題研究所』なる研究所。死亡数や出生数の変化だけではなく年齢別の県別の人口移動トレンドも加味しての予測という点がおもしろい。

純移動率は県別の経済状況の変化で数値は変わりうるが、今のトレンドの延長線上でみても十分に示唆に富むのではなかろうか。ベースとなっているのは2000年から2005年にかけてのトレンドで、移動率は縮小しながらも同方向で今後とも続くと仮定しているようだ。

で、同研究所のサイトからいろいろな数値が手に入るのだが、ここではシンプルに2005年と2035年との『増減率』だけを並べてみた(実数ではないので要注意)。

<図1>2005年と2035年の県別総人口増減率
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まず図1の総人口の増減率を見て特徴的なのは、東京と沖縄を除いたすべての都道府県の人口が減ると予想されていて、しかもその減少率が軒並み20%から30%に到達しているということだ。

これってすごくシンプルに考えれば内需産業の市場規模が今後30年で2−3割縮んでいくということ。いま小売・流通のような産業で働いている20〜30代の人は、これくらいの勢いで縮んでいく市場を相手に戦いを挑んでいるということになる。

これが労働者個人の賃金にどのような影響を与えるかという点は諸説あって正直よくわからない。ただ、「労働供給が減少すれば需給は逼迫して賃金上昇する」のではないかという甘い予想は裏切られるのではないかと思う。労働供給が減れば人口減少によって市場規模が小さくなり、労働需要も同時に減ると考える方が自然ではないか、と。需要も供給も減れば、外需産業が海外へ生産拠点を移していることなど考えると、労働需給は逼迫せず、むしろ賃金は下がると覚悟した方がいい。

人口減少で需要規模が減って期待成長率が下がる流れの中で、労働以外の成長要因となる資本投入・技術革新が活性化されるようなことは簡単ではないだろうし(直観だけど・・・)、いやー、ほんと日本はどうなってしまうのだろうか、と。。。

ちなみに、15歳から64歳の労働人口だけをピックアップしてみると、もっと怖い結果が待っている。。。老人があまりお金を使わないという現在の構図が維持されるのであれば、こちらの数値の方が市場規模の縮小の実感値に近くなるのかも。

<図2>2005年と2035年の県別『15-64歳』人口増減率
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一方で、65歳以上の増減率だけを見ると、これまた極端な結果に。老人にお金を使わせることのできるサービスを開発した人が本当の勝ち組になる、かな?

<図3>2005年と2035年の県別『65歳以上』人口増減率
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なお、ここに掲示していないデータも含めて兵庫県が分析した調査結果を見つけたので、要訳してご紹介。

・自然増減ではなく県境を越えての人口流入がプラスだったのは埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、滋賀の6県のみ。特に東京圏の4県合計で30年間に約300万人。毎年標準的な市町が1〜2つの割合で東京圏へ吸い上げられていく勘定。

・都市部およびその周辺の県では高齢になってからの転入者が多い。高齢者の都心回帰と言われているが、買物など日常生活の利便性を考え、都市部のバリアフリーのマンションへ住み替える高齢者が今後も続くと予想。

・転入超過が続く滋賀県は例外的な県。学生数、従業者数、地価と住宅数・工場立地件数などの指標で比べて分析した結果、人口移動は経済活動に勢いのある県へ向かって起こることが実証され、滋賀県の場合は、近畿・北陸・中部といった三経済圏への近接性、割安な地価、地域開発の余地が大きかったなど有利な条件が多く、成長を維持することができている。

・大阪府は都市部にもかかわらず人口流出が大きい。その中身を詳しく見ると、若年者の転出と、高齢者の転入が多いことがわかる。つまり、人口構成に対しては、高齢化を早める方向にある。千葉、東京、神奈川など東京圏でも高齢になってからの転入者は多いが、これらの府県は若年者の転入者が多いことが、大阪府とは大きく異なる。

・東京圏への人口移動がピークとなるのが、15〜24歳の年齢層、つまり、進学と就職を機に東京圏へ移り住む年齢層。これらの若者を送り出す地方の県にとっては、教育費や医療費など子育てにかかる公的費用を負担するばかりで、県の財政を支える納税者として働く時には、東京圏へ転出してしまうことになる。逆に東京圏にとっては、子育てにかかる公的費用を負担することなく、財政を支える人的資源を獲得できる。一方、高齢者の増加により医療費や介護費用といった社会福祉関連費用の増大が懸念されているが、高齢者が転出超過となる地方にとっては、将来の費用負担の軽減が期待できる。逆に都市部では、その費用負担が増大する。


さてさて、こんなデータを見ると個人としてどう覚悟を決めるの?みたいな話になるのだが、その辺はいつもくどくどと書いているのでやめておこう。ただ、各地方に課税自主権与えて独自の施策で企業を誘致したり若い世帯を引きつけたりしないと、ほんと地方は衰退していく一方になってしまうし、それじゃあ日本の魅力も失われそうでおもしろくないよなぁ、とは強く思う。

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内 容 ニックネーム/日時
強烈〜

先週のYahooニュースで見て衝撃だったニュース(もう消えちゃった)。
瀬戸内海の島に住んでいる65歳の男性がひとりでの乗っていた漁船が(理由は忘れたけど)沈没。 男性は暗い海の中を2時間以上立ち泳ぎしながら潮にのって一番近くの島へ行き助かった、というめでたいお話。

65歳の男性が2時間以上冷たい海の中で泳げた、ってのがそのニュースの感動ポイントだったんですが、私が何より驚いたのは、その男性が住んでいる瀬戸内海の小島の住人110人のうち彼が一番若い、という事実(めちゃさらっと書いてあった)。

うーん、65歳が最年少の島・村って・・・20年後はどうなるの?
la dolce vita
URL
2009/07/02 10:01
ははは、こういうエントリーはよーこさんが好きかなって念頭に置いて書いたのでコメントもらえてよかった(笑)

それにしてもその小島の話、強烈だねー。
20年たったら日本もずいぶんと違う国になっているんだろうなぁ。。。
(ちなみに2035年は中国の人口増加のピークでそれ以降は減少するらしいから、そちらの国の変化も想像するとおもしろい)

いままで真面目に考えたことなかったけど、老後の人生設計(蓄財とか住居とかも含めて)どうしようとか、最近少しずつ思うようになってきたよ。。。
海外住みたいな〜って思いが増えている一方で、老後はなんだかんだで日本でストレスフリーな生活が一番だったりするのかなー、とか。

AK
2009/07/02 18:58
私、老後は日本に住みたいですよ。
魚食べたい、温泉入りたい。
お仲間の老人だらけで楽しそう、ってイメージ(笑)。

でも治安が悪かったりするのかなー?

メールしよう、しようと思ってたんだけど、ロンドン行きは1月になりました!
でも10月に日本行きます!
la dolce vita
URL
2009/07/02 20:21
そうだねー、やっぱり老後は日本かなぁ。
まあ季節によってニュージーランドとかの別荘に行く、みたいな生活ができればベストだけど(笑)

治安?日本の?老人ばかりになると世の中変わるのかな。考えたこともなかった。

ロンドン1月ですか。ちょいとすれ違いですね。僕は10月から日本なのでその時に是非!
AK
2009/07/03 00:45

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