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最近、高校や大学で同期だった連中がどのような仕事人生を歩もうとしているのかなぁとふと考えることがある。想像つくこと・つかないことの両方があるのだが、思っているよりしんどい人生になるんじゃないかなぁとふと不安になる。いや、もちろん自分自身も含めての話でもあるのだが。 先週の渡辺千賀さんのエントリーをきっかけにブログ界ではちょっとした祭りがおこっている。 On Off and Beyond: 海外で勉強して働こう これまでずっとなるべく言わないようにしていたのだが、もう平たく/明快に言うことにしました。 当然に1)と2それぞれに賛成・反対の意見が乱立してなかなか見ていておもしろいのだが、すごくざっくり言えば、海外で働いている/いた人は賛成、そうでない人は反論、みたいな2分法ができそうな印象を受ける。もちろん留学したから海外で就職できるなんて簡単な話では全くないし、英語圏にいると英語ができるようになるというのもほぼ神話なのだが、「成長」なり「刺激」なり「自由」なりの機会を求めて海外に出、そして活躍できている人は、そりゃ否定はしない話かなとは思う。 僕はと言うと、中途半端に海外の魅力に触れ、一方で海外で職を求めることの難しさも想像できるので、2)については僕より若い世代はぜひトライしてみたらいいとは思うものの30代の同世代の連中にはこうもストレートには言えないかな。海外でやっていける能力はあるに越したことがないというか、あったらかなり有利なのは間違いないとは思うけど。 ただ、日本がダメだから海外行こうよというのはあくまでも一つのオプションだし、日本でやっていく方法がないわけではないだろうから、1)という真実を述べたうえで必ずしもロジカルにつながらない2)を言って、もっともらしい提案にするというのはちょっとずるい言い方だよな〜という気はする。 あ、そうそう、僕は1)は真実だと思っている。もう少しスタンスをとるなら、僕ら30代が就労人口の中心として経験する今後20年間くらいは引き続き(多少の景気変動はあれど)経済は悪くなる一方じゃないかなって思っている。 ■沈みゆく日本 昨年28年ぶりに日本は貿易赤字に転落したそうな。生産コストの安い中国からの輸入が構造的に増えていることを考えると、何年かしてアメリカの景気が持ち直したとしても黒字化になるとは限らない。むしろ構造的に輸出立国モデルが終わってしまったと考える方が自然だと思う。 焦る日本初の輸出に頼ってきた企業はますます生産拠点を海外に移すだろうから国内の労働需要はどんどん減るだろうし、利益を出すために正社員の非正規社員による代替も進むだろう。政府が本気で非正規社員を減らそうとすれば失業者の増加につながり、逆に同一労働同一給料が進むのであれば非正規社員の給料があがるのではなく正社員の給料が下がる方向で調整されていくのだろう。アメリカに売れるものがなく、中国からの輸入だけが拡大すれば、物価の下げ圧力も強まる。産業間の給料格差は急には埋まらないにせよじわじわと縮まることを考えると、日本で働く人の給料が増えていくような要素は何も見当たらない。 国内向け製造業に比べれば国内向けサービス業の方が中国の影響は受けにくいだろうが、人口が減少に転じ、特に働く世代の人口の方が早く減ることも考えると、一般的な意味でマーケットは縮小し続ける。既に生まれた子供の数は増やすことはできないので、今0歳の子が20歳になったころの就労人口というのは現時点で既に決まっているのだ。 総人口が減るだけではなく、少子高齢化のバランスも常態化するであろうから、就労人口の一人当たりが支える老人の負担というのは増える一方だ。団塊ジュニア世代の我々が80歳になる頃が少子高齢化のピークだろうか。そこに向けて勤労世代の負担はじりじりと増え続けていく。 日本が再び成長(少なくとも現状維持)をするためには生産性をあげるしかないよね、ということなのだろうが、国の成長率に影響を与えるような芽がいったいどこにあるのか正直僕にはわからない。いや、ほんと、全然わからない。そんなもの、MBA勉強したってわかりませんがな。90年代に不況が始まって以降日本はずっとそれを探し続け、結局できていないんだから、今後も簡単にはできないと考える方が自然かな、と・・・。 ■30代前半サラリーマン・サバイバル 景気が二度とよくならないと考えるんだったら、海外に飛び出すことができないにしても、自分が国内で生き残っていく場所は探すべきじゃないかなと思うんだよね。大勢がそういう行動をとれば多少なりとも経済活性化に効果はあると思うし。 で、どんな場所かというと、上で述べたことに当てはまらない業界、つまり直接・間接に中国と競合しないし、少子高齢化の悪影響を受けない業界。色々あると思うし、そのあたりは約10年間働いてきたビジネスマンとしての嗅覚の見せ所でしょ。プライベートエクイティはそのひとつかなと思って僕は今そこにいるのだが、自転車操業がPEの本質だったりするので、会社レベルで生きながらえるかどうかは正直わからない。 で、で、もうひとつ重要な条件だと思っているのが、ノンワーキングリッチの中高年に搾取されない業界/会社。言いかえると、大企業にぶら下がってなんとか逃げきろうとしている人たち、ほんとにそれって可能なの?楽しいの?、ということなんだけど。 誰も日本の大企業が軒並み潰れると言っているわけではないけれど、その企業にいて経済的、そして精神的にも報われるとは限らないとは思う。我慢していればいつかは報われると思っていたら結局最後まで報われなかったということになるかもしれないよ、という意味。 まあ余計な御世話かもしれないが、同世代の男性の友人から自分の会社への不満がすごい聞こえてくるんだよね。でも辞めないでしがみついているのはなんでなんだろうとよく思う。女性の方が比較的転職にオープンな人が多いからか、男性ほどの悲愴感は感じない(もちろん、女性の方が恵まれているなんて言うつもりではなく、恵まれてないがゆえに決断が早かったという面はあるし、男性とは別の悩みがあったりするのだが)。 世の中見渡せば、みんな自分が第一。他人が幸せになるのは嬉しいけれど、引き換えに自分が何かを奪われるのは勘弁してくださいというのはごく自然の感情。既得権益を若者に比べて多く持っている中高年が中高年の利益のために行動するのもきわめて自然なわけだ。 政治家は職を失いたくないから、選挙に来てくれる中高年の利益になることしかやらない。選挙に来ない若者のことなんてどうでもいい。景気浮揚策にじゃぶじゃぶのお金をつぎ込んでいるけれど若者が将来増税で負担するってことを気にしている政治家なんていないだろう。 また、民間のように頑張れば給料が増えることのない官僚が天下り先を確保して経済的利益を享受したいと思うのも至極当然。法案の約8割が政治家ではなく官僚により作成され、官僚の助けがないと派閥順送りでポストを割り当てられた大臣は何もできず、また官僚出身の議員も約100人と多い日本では、政治に天下り規制を求めることも実質不可能で、官僚の主眼が特定の団体との関係という既得権益の確保に走るのは止めようがない。 じゃあ企業の上層部はどうかというと、ちょっと古いものだけどChikirinの日記にあった文章を引用してみよう。 Chikirinの日記:若者達の分水嶺 企業は中高年の雇用と給与を守るために正社員採用をストップし、足りない労働力を非正規雇用で補完した。そのために派遣法を改正させた。髪の毛を振り回して必死の形相で、中高年達は自分の既得権益を守るために、若者を切り捨てたんだと思う。 自分は正社員だから関係ない? でも、大企業にいて、ろくに働かないくせして高い給料をもらっている人をみて愕然とすることがないのかな。いつか自分がそうなれるんだから今は我慢の時? でも10歳くらい歳上のバブル入社組が大量にいる社員構成を見てもなお、今の50代のような待遇が得られるようになると思うのかな。しかもマーケットは縮む一方かもしれないのに。。。 自分が転職することを考えるとついついリスクばかり考え、ひょっとするともう手遅れと思ってしまう人もいるのかもしれない。じゃあ自分の同級生が初めての転職をすると言ってきたとき、「そりゃいい機会だ、頑張ってね」と思うか「今更転職?大丈夫?」と思うか。じゃあ、それが5年後なら、あるいは10年後ならどうか。。。まだ間に合う、でもキャリアが固定してしまうまでの残された時間は意外と少ない、というところが素直な反応じゃないかな。。。じゃあ同じことを言ってきた同級生が初めての転職ではなく2度目・3度目だったら受け止め方はどう変わるかな?変わるとしたら、なぜ? すべての人に海外に行くことや転職を勧めているわけではもちろんない。給料がたとえ期待通り増えなくても、あるいはひょっとしたら職を失うことが将来起こりえるかもしれないけれど、家族の支えとか趣味とかがあればささやかに楽しく生きていけるさ、という人には何にも言うことはない。でもそうやって言いきれる人(というか男性)が少ないのが日本社会の特徴だと思うんだよな。仕事での失敗=敗者という烙印が押される(と信じている人が多い)国。どんな素晴らしい家族がいても、リストラされたら家族を残して自殺してしまうような人が多い国。自殺まではいかないにしても、精神的にやられちゃう人はいくらでもいるだろう。僕自身に同じことが起きた時自分がどうなるか、正直確信をもって大丈夫とは言えない気がする。 どこの会社・どこの国に行っても生きていけるような力をつけること、何が起きても寄ってかかれる何かを自分自身の中に見つけること、この際希望を捨ててささやかでも穏やかに暮らしていく精神状態に持っていくこと。残念ながら経済的な意味で逃げ切ることが難しい30代前半の僕らがいま考えなくちゃいけないこと、覚悟を決めなくちゃいけないことってそういうことだと思う。 これが僕が言いたかった沈む日本でのサバイバルという話。 覚悟をしないで生きていくと、思ってるよりも大変なことになるんじゃないかな、これからは。。。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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公務員もMBA
公務員もMBA ...続きを見る |
忍者大好きいななさむ書房 2009/05/27 02:44 |
【告知&お願い】NHKで私が支援しているBlastbeatという社会事業が紹介されます
7月15日(水)のNHK「チェンジメーカー」という番組でBlastbeat(ブラストビート)というアイルランド発の社会事業の取り組みが紹介されます。私がOxford MBAのプロジェクトの一環で全社戦略のコンサルティングを請け負っている事業です。画期的な社会事業で現在4カ国にて展開中、日本への進出も視野に入れており、是非皆様からの意見やサポートを頂きたく、まずは本Blogに目を通して頂けると幸いです。 ...続きを見る |
遅咲きの狂い咲き (Oxford MBA... 2009/07/10 10:34 |
この半年で最も読まれたエントリー
ちょうど半年前に「過去1年で最もよく読まれたエントリー」を列挙したので、今回は半年たったところで一度振り返ってみる(2月にブログを始めたのでちょうど2〜7月が「上半期決算」ですな)。この半年はその前の1年よりもたくさん書いたしね。 ...続きを見る |
遅咲きの狂い咲き (Oxford MBA... 2009/08/15 03:01 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
お久しぶりです〜 |
la dolce vita URL 2009/05/09 01:00 |
どちらも、特に後者は100%男性特有の感情なので、わからないのが普通だと思いますわ。男は仕事、女性は家事・子育て、マイホームを買って幸せな人生・・・みたいな価値観の男性限定の話ですね。女性には理解しがたいだろうし、ハイキャリアで夫婦どちらかが稼げば生きていけるみたいな夫婦には絶対にわからない。でも、実際に僕が銀行員時代、40過ぎで会社が倒産して、満足いく職が見つからず、専業主婦・子供・住宅ローンが重しになったのか、結局自殺、みたいな話はそこらじゅうにありました。。。仕事が忙しいからって家族との旅行をキャンセルしたことがある人とかは、十分に「なにかあった時の」リスクはあると思う。 |
AK 2009/05/09 07:25 |
>与えられた(と思っている)ルールなり枠組みなり価値観の中で勝負するのが彼らの生き方 |
lat37n URL 2009/05/09 12:10 |
はじめまして。いつも楽しく拝読させて頂いております。 |
JA1 2009/05/10 11:49 |
>LAT37Nさん |
AK 2009/05/10 14:49 |
いずれにせよ、いまだに終身雇用が日本の伝統であり強みみたいなことを平気で言っているメディアの洗礼を幼いころから受けていれば、男性も(結婚相手こそが将来の生活レベルを決めるという)女性も、そういう期待をしちゃうのかなぁ、と。 |
AK 2009/05/10 14:54 |
>JA1さん |
AK 2009/05/10 15:01 |
初めまして。 |
EDGE 2009/05/19 20:35 |
EDGEさん、コメントありがとうございます。 |
AK 2009/05/20 03:50 |
初めてコメントさせて頂きます。 |
Kyo URL 2009/05/27 23:51 |
始めまして。la dolce vitaさんところから飛んできました。 |
まつーら 2009/07/15 13:33 |
連続投稿すみません。上の続きです。 |
まつーら 2009/07/15 13:35 |
まつーらさん、 |
AK 2009/07/15 23:19 |
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